保険適用の疾患例と症状

医療保険(健康保険)適用となるのは、筋まひ関節拘縮(かんせつこうしゅく)のいずれか、または両方をもった方が対象になります。

脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの疾患名や診断名は関係ありません。
※医師にマッサージの必要性が認められ、同意書が必要となります。

関節拘縮(かんせつこうしゅく)とは

皮膚や筋肉、靭帯などにより、関節の可動域制限されて関節を十分に動かせなかったり固まってしまっている状態です。

筋麻痺(きんまひ)とは

疾病や損傷により神経や筋肉が傷つき、機能低下や機能不全を呈し、思ったように筋肉を動かせなかったり意思に反して動いてしまうことをいいます。

脳性小児麻痺(CP)

脳性小児麻痺とは、赤ちゃんがお腹にいる状態から生後4週までの間に、何かしらの影響で脳に障害を受けて引き起こされる「運動機能の障害」などの症状を指します。

脳性麻痺は遺伝子の異常ではありません。合併症を伴うケースもあり、重症度も様々です。 分娩により発症した場合は産科医療保障制度を利用することができます。

症状の特徴
  • 手足の筋肉が突っ張ってかたい
  • 手首や足首、肘や膝が固まっている
  • けいれんがある
  • 体がよじれたり、突然動いたり、ピクピクと勝手に動く
  • 麻痺のある手足の発育が悪い、筋力が低下している
  • 体の調和がうまくとれず動きが不安定
施術の効果
脳の損傷そのものは進行しませんが、身体の成長とあわせて筋肉や関節がさらに固くなったり、骨が変形したりします。なるべく早めにマッサージを開始すると、進行の予防や症状改善につながりやすくなります。

脳室周囲白質軟化症(PVL)

脳質周囲白質軟化症(PVL)とは、早産児などの脳に血液が十分に行き渡らず、運動障害を起こしてしまいます。出生後33週未満に特徴的に起こる脳障害で 脳性麻痺の原因となる場合もあります。

脳室の近くには下肢をコントロールする神経(皮質脊髄路)が通っているので、下肢の麻痺を起こしやすくなります。下腿の筋肉や足首の関節が硬くなり、つまずきや歩行時のバランスの保持が難しいなど日常動作の妨げになる症状が多くみられます。

症状の特徴
  • 脚の筋肉が固まって動かせない
  • かかとを床に着けない(尖足)
  • 歩行時に足がクロスしたようになる(はさみ足)
    (脳性麻痺に至った場合は、前項を参照ください)
施術の効果
脳の柔軟性が高い幼少期からマッサージや療育、療法などで良質な刺激を与えてあげることが、尖足や変形などの二次障がいの予防につながります。

筋ジストロフィー(CMD)

筋ジストロフィーとは、手足などを動かす筋肉が壊れて次第に筋力が低下していく、遺伝性筋疾患の総称です。遺伝子異常によって必要な物質が作れないため、筋細胞が壊れてしまうのが原因です。出生児から筋力低下がみられる場合と、2~3歳頃や小児期以降に発症する場合があります。

症状の特徴
  • 歩き始めるのが遅い
  • 全身の筋力が弱まっていく
  • 転びやすい、走るのが遅い、急に足取りがおぼつかなくなる
  • 筋肉が弱くてふにゃふにゃしている
  • ふくらはぎがパンパンで痛い(仮性肥大)
  • 脊柱の側弯や関節の動きに制限(関節拘縮)がある
施術の効果
マッサージで側弯予防や強張った関節を緩める、ふくらはぎの痛みの緩和を目的としています。また知的レベルが高く、本人の心のケアがとても重要になります。

てんかん

てんかんとは、脳の神経細胞に突然激しい放電(てんかん脳波)があり、繰り返し発作を起こす脳の病気です。発作は、 けいれんや不随意運動、一意的に意識を失うなどの状態になり、年齢や性別に関係なく発病します。

てんかんの発作によって脳性麻痺や運動機能障がいを発生する場合もありますが、脳性麻痺によっててんかんになる場合もあります。全般発作・部分発作・突発性てんかんなど発症時間や症状が様々ですが、点頭てんかん(ウェスト症候群)が有名です。

症状特徴
  • 意識を失う
  • 全身がけいれんする、震える
  • 手足がつっぱる、ねじれる
施術の効果
マッサージにはてんかんの誘発因子である疲労や睡眠不足、心理的ストレスを和らげる作用があります。その結果てんかんの頻度を抑えることにつながります。

染色体異常(ダウン症、18、13トリソミーなど)

染色体異常とは、先天的に染色体の構造や数などに異常があり、そのために様々な症状を示すものです。染色体異常には、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、 13トリソミーなどの種類があり、特有の顔つきが見られます。

症状の特徴
  • 首のすわりが遅い
  • なかなかお座りできない
  • つま先が内向きになる(内反:ないはん)
  • 特徴的な顔立ち
施術の効果
マッサージによって側弯や円背などの進行の予防につながります。

廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)

廃用性萎縮とは長い間、筋肉を使わないことで起きる筋の委縮です。長時間使わなかった筋肉が衰え、筋委縮や骨萎縮、 骨粗しょう症や起立性低血圧・便秘・精神性疾患・発達障がいなど機能障害にもつながります。寝たきりのお子さんに多く見られる症状です。

症状の特徴
  • 筋肉がやせて細くなる(萎縮)
  • 関節がこわばって硬くなる(拘縮)
  • 便秘になる
  • 背骨が曲がる(側弯)
施術の効果
マッサージによって筋肉や関節をほぐすことで、症状の進行を予防していきます。ご家族からは「便通がよくなった」という声もいただいています。

発達障がい(自閉症、アスペルガーなど)

※発達障害や自閉症のお子様の場合、保険適用の対象外となるため、治療院での医療マッサージやご自宅でご家族に行って頂きたいマッサージの指導が基本となります。

発達障害は、主に脳の先天的な機能障害によって生じる、発達の遅れのことです。原因ははっきりとしていません。発達障がいは、広汎性発達障害・ 学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)の3種類に分類されており、自閉症やアスペルガー症候群も発達障がいのひとつです。

自閉症とは、発達障害の広汎性発達障害に分類されます。言葉の発達の遅れ、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動・こだわりという3つの特徴を持ちます。

症状の特徴  
  • ある物事への強いこだわり
  • 友達と馴染めない
  • 落ち着かない、集中できない
  • 特定の分野の学習だけ全くできない
施術の効果
マッサージには心地よいと感じるタッチで興奮した神経を落ち着かせたり、オキシトシンの分泌を促したりする作用があります。脳とカラダをリラックスさせ、コミュニケーションや学習を行う前提となる身体の地図(ボディマップ)を作っていきます。